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農と食を結ぶ情報誌「とさのうと」
vol.38
左/取材時には就農して5年目だった坂本浩司さん。大事に育てたポンカンは、ふるさと納税の返礼品にも使われています。 右下/人が出入りできるように刈り込んだ生け垣なのですが、風景を含めたデザインセンスの素晴らしいこと。
夢のツリーハウスで。
  12月の晴れた朝、ポンカンの収穫取材に訪れた先は、浦ノ内湾に臨む立目地区の果樹園さかもとさんでした。たわわに実ったポンカンを収穫する坂本浩司さんは、結婚してこちらの後継者になった方です。ポンカン栽培のことや就農のお話、東京でしていた福祉のお仕事への思いなどを聞いた後、気になってたまらなかったその場所に、スタッフ一同、案内していただきました。
  
 それは、ツリーハウス。正真正銘の、ツリーハウス!園地の小道に生えているヤマモモの木を利用しています。幹を回りながら階段を上がると、浦ノ内湾の風光明媚な世界が。誰かに教えてあげたいけど、秘密にしておきたいような風景。子どもが見たら、ここに住みたいと言い出しそうです。
左上/倉庫の屋根には風見鶏。心に響く素敵なテイストが漂う園内。 左下/湾を見下ろすテーブルを囲み、お茶をいただいて心の洗濯。 右/ツリーハウス「てんくろう」。ヤマモモが赤く実っている頃を想像しました。
 このハウスの名前は「てんくろう」なのだそう。「いごっそう」に似ていますが、もっとヘソ曲がりなイメージ。5,6人はゆったり座れるテーブルに腰掛け、坂本さんがお茶を振る舞ってくださいました。自家栽培の、農薬を使わずに育てたレモンが主役の、レモンティー。甘酸っぱいお茶が喉に優しくて、穏やかな青い湾、冬の澄んだ空気と陽光に、別世界の癒やしがありました。

 坂本さんは義父をはじめ、ご近所の「おんちゃん」たちと仲良しなのです。このツリーハウスは、おんちゃん仲間と一緒に造ったのだそうで、皆はバーベキュー仲間でもあります。「罠のおんちゃん」がイノシシを仕留めてスペアリブを造り、秋は山芋を掘って摺りおろして。夢のツリーハウスが出来上がったときも、そんなパーティーが楽しく開かれたことでしょう。高知県にはまだまだ知らない素晴らしい場所があるのだと、忘れられない体験をもらって帰りました。