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農と食を結ぶ情報誌「とさのうと」
vol.37
自然豊かな環境で鶏たちを育てる、田代農場の政岡太司さん。県内でも最大規模の養鶏場です。入雛後、約50日の飼育で体重が3キロになるのを目安として出荷。四万十鶏の若鶏として流通します。(中土佐町)。
ピヨピヨたちの旅。
 11月初旬、中土佐町の田代農場に雛が入る場面を取材しました。これを「入雛」(にゅうすう)といい、食鶏の飼育サイクルが始まる大事な場面です。田代農場で育てるのは、四万十鶏という銘柄鶏として特製の飼料で育てられるブロイラー。お隣の香川県から、前日に孵化した雛が運ばれてきます。
  
 取材のスタートは、雛が到着する午前8時30分。取材スタッフは農場近くの道の駅で早めに集合していました。駐車場でふと香川ナンバーのトラックに目が留まり近づいてみると、中からピヨピヨ、ピヨピヨと鳴く声がしています。それも、たくさんの声。そう、これから農場へ届ける雛たちを載せたトラックなのでした!
最初の区画は雛のサイズに合わせて小さいですが、徐々に広げていきます。出荷する頃には鶏舎いっぱいに広がります。
 そして、取材スタッフは先回りして農場へ。2時間ほどの旅をしてきた1万2千羽の雛たちは、トラックの荷台からコンテナのまま降ろされ、おがくずを敷いて室温を32、33度に保っている育雛舎(いくすうしゃ)へ運び入れられます。この日は晴天でしたが、雨の場合は病気の予防で、産毛を絶対に濡らさないよう、気を付けるそう。雛をすべて運び入れ、元気に餌を食べ始めるのを確認すれば、ほっと安心。

 つい、ヒヨコと呼んでしまいたくなる雛たち。黄色いふわふわの産毛に包まれています。か弱く見えるけれど、脚は太くしっかりしていて、地面を敏捷に走り回ることができます。この旅が終わるまでは、卵のときから持っている栄養分を消化していると教えていただきました。生まれて最初の餌を初餌(はつえ)と呼び、室温を適切に保ち、孵化後24時間以内に餌付けしないと、成長のスイッチが入らなくなってしまうので、生死を分ける重要な過程なのです。