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農と食を結ぶ情報誌「とさのうと」
Vol.19
畑で大豆を見たことある?
四万十町窪川へお豆腐づくりの取材に行ったら、国産どころか町内産の大豆を使っているというではありませんか。なんと贅沢なお豆腐でしょう(にがりも四万十町の海から来ています)。その足で露地の大豆畑を見せていただくことになりました。加工場から車で10分ほどの開けた場所で車を停め、きょろきょろ見回してもよくわかりません。聞けばすぐ前の、枯れ草のような場所が、大豆の圃場だったのです。

大豆とはつまり、枝豆が育ったもの。枝豆の時は葉っぱもあるし、豆も緑ですぐわかるのに、意外な姿でした。現地の支援センターの中越清年さんによると、品種は「ふくゆたか」、種まきをしたのは7月、「ネムノキが咲くころが最適」だそうです。大豆栽培は平成9年ごろからお米の転作で始まり、町内各地で生産されています。四万十堆肥で栽培していて、化学肥料は極力使わない栽培方法です。
こちらが、地元の大豆とニガリを使った、手作り限定生産の「ときめき豆腐」。味噌も作られています。地元の直販所ではロングセラーの人気者です。
大豆畑のようす。近寄ってみると、ちゃんと大豆が実っています。
仁井田米で知られる四万十町は標高が高く、気温も高知市などより数度低い、霧の出やすい地域です。取材した12月のはじめはまだ実が軟らかいのですが、1週間もたって「北風がまくる」と、カチカチに固くなるそう。大豆は後で低温乾燥させて保存するので、畑でこの状態まで枯らせておくのが、いいのです。

完熟すると、さやがパチパチはじけて豆が飛んでしまうなんて、知りませんでした。「機械で収穫した後にこぼれてしまった豆を鳥が食べに来ている」という話に、もったいないというよりも、たとえようもない豊かさを感じてしまいました。収穫している時はホウセンカのようにパチパチはじける音がするそうなので、鳥も呼ばれて来るでしょう。冬場、大粒の豆はごちそうです。甘みが強く、お豆腐に加工しても特徴のあるおいしさが出せるこの大豆、年間を通じて人間にも得がたいごちそうになっています。