即席収穫隊員のユズ収穫だより


・ソ・ソ~物部 坂本浩幸さん・由美さんのユズ畑にて~


「柚月」はレモンイエローが美しく、玉出しでの商品価値が高い品種



「ユズ取りに来ん?」「かまんが? 行く行く!」
坂本浩幸さん・由美さん夫妻のお誘いに
とさのうと編集部のスタッフふたり、二つ返事で答える。
数えてみたら、由美さんに会うのはもう4度め。
とさのうと2号・ユズ特集
取材させてもらって以来。
取材や何やかやでお世話になっているのだけれど
もっと再々会っているように思うのは
このユズ畑の懐かしいような風景と、
そのユズとおんなじくらいに香りの濃いような
高知の女性らしい由美さんの人柄のせいなのか。

「柚月」の畑は山のてっぺんを切り開いた平坦なところにある



ツꀀ今日収穫するのは「柚月」という品種。

お月様のようにきれいなレモンイエローの宝石。
小さな青玉のころにユズが自分のトゲで自分を傷つけないよう
トゲを丁寧に取り払ったユズたち。
腕抜きをして皮手袋をはめてカゴをしょって
即席の収穫隊員となった私たちはユズ畑に入る。
「ハサミがちょっと当たっただけでも、次の日には傷になるがよ」
玉での出荷量が多い物部のユズは、収穫の時も傷をつけないよう大切に扱われる。
ゆさっと実るふくよかなユズをハサミでぱちんと収穫したら
香りがそこらあたりいっぱいにひろがって
癒やされ感いっぱいの自然のアロマテラピーになる。
ユズ畑のそこここに入って収穫する人たちのハサミの音や話し声を
ユズの木の間から遠くに近くに耳にしながら
知らず知らずのうちに収穫に夢中になってなんだかとても心地よい。

収穫に誘ってくださった物部のユズ農家・坂本浩幸さん



「今年の物部の文化祭で、うちのユズ賞取ったがよ」
今年の夏、浩幸さんが怪我で長いこと入院していた間
由美さんが中心になってユズ畑の世話をしたとのこと。
「主人がおらんきどうしようか思うたけど、頑張った甲斐あったわ。」
人懐っこい笑顔でちょっと照れながら話してくれる。
ずっしり重いカゴの中のユズをコンテナに移す。収穫作業は進む。
お昼のサイレンが鳴ったら、「物部の食を楽しむ会」。
「まるでおきゃくやね、今年はもう何回もしゆうで」
コンテナを並べた上にコンパネを置いてテーブルを作ったら
地元の食材を使ったごちそうが並ぶ。

持ち寄ったお料理が並び始めたところ




麦味噌とショウガが香るぼたん鍋



ぼたん鍋、田舎寿司、たくあんと白菜漬け、ユズのおまんじゅう、などなど。
これらすべて、由美さんやお母さんたちの手料理。
「この収穫ピークの忙しい時に、すごい。」とあっけにとられていると
「田舎の人は何でも自分で作らんと、食べたい思うても、すっとは買えんきね。」と
さらり。

田舎寿司ももちろん手作り。おいなりさんに使ったおあげはびっくりするくらい肉厚!




とさのうと2号・ユズ特集でも評判だった、ユズのおまんじゅう。浩幸さんのお母さんから由美さんにしっかり伝わっている



「あんたらあは、ショウガも、収穫したがかえ?」浩幸さんから愛嬌ある質問。
(もしや、とさのうとの特集で紹介した野菜は、収穫体験済みだと思い違いされてる??)
「こうやって収穫手伝わせてもらうがは、まだ坂本さんとこが初めて!」
他愛ないおしゃべりをしながら、ちょっと甘口のお味噌とショウガが効いた
おいしいぼたん鍋であったまると、私たちもすっかり地元の人になった気分。
さて、もうひと仕事。
浩幸さんのお母さんや兄弟親戚、近所の人に私たち10人ほどで収穫をしていたところに
「うちんくの仕事が済んだら半日でも浩くんくを手伝おう思うて」と助っ人が現れる。
まだ怪我が治りきっていない浩幸さんを案じたユズ農家仲間たち3人は
するするっとハシゴを上り、手慣れた様子で収穫を始める。
ユズの木を養い、人のつながりを養う、
物部のユズ農家の暮らしがちらりと見えて、心の奥が何か豊かなもので満ち満ちてくる。
ユズ農家の本当の苦労も知らないよそものの私たちにも、
知らず知らずのうちに、彼らはこんなにも惜しみなく与えてくれる。
「また来年も必ず来ます。」
来年はもっと労働力になれるように。
本当にありがとうございました。
                       とさのうと編集部スタッフ 黒糖ぱん

LINEで送る

投稿者:JA高知信連 | 17:09

コメントは受け付けていません。